製造方針

醸造方針(清酒について)

ナチュラルでシンプル、米原料100%のお酒のみ。
原則的にブレンドや炭素ろ過などの調合・調整をせずに、都度の発酵の有りようが包み隠さずそのまま封じられています。同じ産地や品種、精米歩合のお米、かつ同じ親きょうだいの微生物から生じたお酒であっても、雰囲気や口当たりなどが少しずつ異なります。風味は未完成さを感じさせるものであるかも知れませんが、発酵の醍醐味が飲む人に伝わることこそ、大切にされています。かすかなノイズや揺らぎも、味わいであり、風味での表現をこえた感動の要素です。

(安全と品質保持を最優先するため、発酵終了後の処理については例外が生じる場合があります。また、純米料理酒については品質特性上、通常2回の、ろ過・加熱処理が施されています。)

安全・品質指針

●酒類や食品製造、商取引等に係わる法定事項その他コンプライアンスを遵守します。
●HACCP(食品製造における危害要因分析・重要管理点の把握に基づく衛生管理方式)に沿った衛生管理(日本酒造組合中央会指針に基づいた一般衛生管理)を行います。
●必要性に応じて、製品や原材料についての外部食品分析機関による安全・品質検査を行います。
●万一、安全や品質上の問題を生じさせたときは、行政その他関係機関と連携しながら対処します。

保有資源

都錦酒造株式会社

原料米

原料米のほとんど全てについて、農家や流通業者の皆さまとのコミュニケーションが取りやすい、島根県産のものを使用しています。遺跡や神話からも分かるように、日本列島でも早くから稲作が開始された島根県は、今でも米どころ。自然が保たれ、朝晩の寒暖差が大きい気候で土壌については水はけのよい、中国山地の中山間地域で栽培された稲(米)は、活力や滋味に満ちており、それは土壌の力や個性など、風土をあらわす醸造には欠かせません。

都錦酒造は、環境保全型農業に取り組む島根県下の複数の農産グループ(エコファーム)と、直に結びついています。このエコファームのうちの一者は昭和の時代に、農産物の特別栽培(栽培期間中農薬・化学肥料とも不使用)を、他の農家たちに先駆けて取り組み始めました。現在は先代の志を継いだ二代目が、大地と向き合っています。

井戸水

原料水

都錦では自社の敷地にある複数の井戸から、特に選んだ井戸から汲みとる水を原料水に用いています。この水は酒造用水としては硬水に区分され、豊富(多様かつ多量)なミネラルを含んでいます。醸造所が立地する場所は、太古は海底であったといわれており、重なる地層の中には自然貝層も含まれることから、中国山地から日本海に向けて流れる伏流水が、貝層を通過することでミネラルが水にうつるものと考察されます。

ミネラルは微生物の栄養のもとであり生命力のもと。この水のもとでは麹菌や酵母の増殖や発酵が活性化され、麹菌により生産された酵素の醪への供給も進みます。この「微生物が喜ぶ水」から生じるお酒には、風味とともに奥行き(テクスチャーや余韻)があります。微生物のダイナミズムの源となり、豊かな表情と色彩を酒に与えてくれるこの水のことを、「錦彩水(きんさいすい)」と呼んでいます。

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